F.lli.Giacometti Luigino

昨日ソールの部分補修から戻った875、羽刻印モデル。


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事務所から徒歩5分という好立地にあるリファーレさんで、今年に入って既に5足のレッドウィングをリペアして頂いています。お気に入りの一足なんですが、今回の主役は875の受け取りの際に一緒に連れてきたこちら。


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F.lli.Giacometti

culatta cavallo botte lucido

Luigino

 

ジャコメッティのコインローファー、馬革モデルです。イタリアの靴はシルバノマッツァ以来、20年ぶり?

 

 

箱書きにある、『culatta cavallo botte lucido』の意味は、

 

グーグル先生によると、多分「ホースバットのピカピカの靴」で合ってるかと。洒落が効いてますね(笑)

 

令和2年度は、ちょっと頑張りまして、、、

結果もでたので自分へのご褒美を考えていました。ブーツと同じくらい好きなローファー。コードバンのバーガンディとカーフのブラウンを持っているので、筆頭候補はもちろんオールデンの黒だったんですが、、、

 

どこにも在庫がない!

 

もともと品薄なのは聞いていましたが、これってコロナの影響もあるのかも知れませんね。

 

で、久しぶりに他のブランドも見てみよう、と思っていたら、お世話になってるリファーレさんに気になる靴が2つ。一足はエンツォボナフェのビットローファー。

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リファーレさん画像お借りしますm(__)m

 

でもう一足が、ジャコメッティでした。f:id:REDMIKE866:20210313080754j:image

オールデンのコードバンほどはしませんが、どちらも10諭吉コース。アラフィフの親父が緊張するのも恥ずかしいので、極力自然な流れで試着をお願いしてみましたが、多分目は泳いでたな(笑)

サイズ選びがシビアなローファーですが、奇跡的に両スタイルともマイサイズの在庫が!

アシチッチャクテヨカッタヨ。

 

ツボラーレ製法で作られたビットローファーはフワリとした包み込むような独特な履き心地で直ぐに馴染みそう。対してジャコメッティは派手さ有りませんが馬革らしい、ビシッとしたフィットで『慣らし運転してね〜』と靴が言ってる(笑) そしてパッと見からも縫製が素晴らしい。

同じイタ車とは言え、ルックスもフィットも対象的でした。

 

色落ちした501のハチマルにビットローファー履いたらカッコいいだろうな〜、とか、いやいや何時ものスタイルにはコインローファーの方が合わせやすいだろ、、、とか妄想しながら何度も履き替えて至福の30分を過ごし、最後は、イケメンスタッフさんの、

 

ジャコメッティの馬革は良いエイジングしますよ〜』

 

の一言がグッさり心臓に刺さって決まりました。

 

ジャコメッティ、セレクトでよく見るようになったのはここ数年でしょうか?

購入してから調べだすといういつものパターンですが、、、フラテッリ・ジャコメッティはイタリア、ベネト地方の老舗シューファクトリー。なんと2016年のイタリア出張のとき、この近隣のバッグ工場に行ったことが有りました!

ゴエンデスカネ?🙂

 

履歴はネットですぐ見つかるので割愛しますが、ハンドソーンウェルテッドという、グッドイヤーウェルテッド製法の元になった手作業によるウェルト付けが最大の特徴とのこと。

 

オールデンと並べてみました。


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似てる、、、というか、オールデンが代表するアメリカをイメージしてデザインしたんでしょうね。

 

しかし細部のステッチワークはジャコメッティの方がかなり細かく繊細。


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サドル周りのデザインはかなり似ている。


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太番の飾りステッチはどこか501XXの太い脇ステッチを彷彿とさせ、個人的にグッとくるポイントです。

 


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ヒールカウンターはかなりボリューム感が違います。履き口がソフトで、踵がすっぽり収まるジャコメッティに対して、オールデンはヒールカウンターは小さめで、かなり履き口が確りしています。

 

立体的に造型し、吸い付くようなフィットを目指したジャコメッティと、型崩れして履き口が笑わないように堅牢に作ったオールデン、、、という感じですかね?


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ソールは、ジャコメッティがイタリアらしい、ヒドゥンチャネルで、オールデンは通常のチャネル仕様。

 

 

またこのローファーの最大の特徴である、『ホースバットのピカピカ』は、言うほどピカピカではなく、血筋や革のムラ感を活かした荒々しさの残る仕上げ。これが綺麗な縫製と合わさってまた宜しい。ホーウィン社で有名なコードバンと同じ部位を使いながらも、イタリアの有名タンナーGUIDI社のホースハイドは馬の臀部の革をコードバンとは違う鞣しで仕上げてあるらしいのですが、、、なかなか具体的な情報がありません。表面のムラ感からするとコードバンコードバンたる削り出しやグレージングの工程に違いがあるのかな〜、なんて想像しています。もしかして、と思い『フルグレインホースバット』と調べたらこんなの有りました。


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新品でエイジング加工が入っているような感じですが、質感は近いです。だとするとグレージングや削り出しは工程自体ないのかも。

 

しかし、こんな風に育ったら堪らないなぁ。

 

特に黒のホースハイド × ドレスシューズは全く記事を見つけられなかったので、数ヶ月ごとにエイジングの様子をアップしてみたいと思っています。