Enzo Bonafe Bitloafers

苦手克服第二弾、ビットローファーの巻。

 

ビットローファーと言えばロスジェネ世代にとっては憎きバブル世代の象徴!?

ベンツやソフトスーツと合わせて成金の代名詞のような先入観を持っていたアイテムですが、、、エンツォ・ボナフェのビットローファーが仲間に加わりました(笑)


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実はビットローファーに興味を持ったのは今上演中のこの映画を見たから。


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時はまさにバブルとその終末期。1980〜1990年代の一族の確執と崩壊を描いたこの作品、ちと長いですが中々良かったです。アダム・ドライバーアル・パチーノを始めとした名優陣はもちろん、レディ・ガガもいい味出してます。

 

で分かりやすく感化されGUCCIというブランドが気になってしまい、思いついたビットローファーを調べてみたら、、、

 

本家が1953という復刻シリーズを展開してるじゃないですか!


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クラシックなスタイルで悪くない 😏ニヤニヤ

 

でも、、、いや待てよ、、、

この歳になって今更GUCCIに初めて入るのも些か抵抗が。という訳で、いつものリファーレさんへ(笑)


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エンツォ・ボナフェは1963年に創立されたイタリアのブランド。以前から代表作であるダブルモンクが気にはなっていましたが、それは次のお楽しみということで、まずはローファーから。実はこのブランドはGUCCIのビットローファーを作っていた事でも知られています。その頃の木型をベースにしたクラシックなスタイルが、リファーレだけでなく、ビームス伊勢丹などが挙って別注をかけるの理由の一つかと思います。

 

ビットローファーとはローファーのサドル部分に馬具のハミ(HORSEBIT)の形を模した金具を付けたデザインが特徴で、1953年にGUCCIが初めて採用し、今もなおブランドの顔になっているアイテム。メゾンブランドにはさっぱり縁のない私ですが、映画以前のGUCCIについて少し調べてみると、、、

 

1921年、イタリア、フィレンツェで皮革製品専門店としてスタートし、ビットローファーがデビューした1953年は創業者であるグッチオ・グッチが他界した年。その後三男のアルド、五男のルドフォが事業を引き継ぎ、それまでの皮革製品中心からアパレル事業へ大きく舵取りをしたブランドにとって大きな転機となる年でした。ブランド戦略に長けたアルドが進めた海外進出の中でもアメリカ、特にニューヨークでの成功は大きく、その牽引役と言っても過言で無いのがこのローファーだったそうです。

 

ローファーは1920年代、イギリスで室内履きとしてその原型が生まれ、1936年アメリカでG.H.BASSが名作ウィージャンズを発売。1950年頃にはアイビーリーガーのマストアイテムになっていきます。その大ブームの最中、ローファーにさらにイタリア的な解釈が加わったGUCCIのビットローファーが登場した訳で、、、ストーリーとしてもとても面白いアイテムですね。

 

エンツォ・ボナフェのローファーに戻ります。

 

スタイルは、GUCCIの1953に近いクラシックなデザインで仕立てられています。


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モカは被せ縫いの仕様で、ソールは本家がマッケイなのに対して、こちらはツボラーレ製法。マッケイとツボラーレの違いをスタッフさんに教えて頂いたんですが、、、良く分からなかった(笑)


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内部にステッチが見えるのがマッケイ、ツボラーレ共通の特徴。ウェルトのあるグッドイヤーに対して直接アウトソールを縫い付けるのでデザインの自由度が大きくなり、ソールを小さく薄く上品に仕立てられるためローファーに向いているとされています。


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本来ステッチはソールにも出ますが、エンツォ・ボナフェのローファーはヒドゥンチャネルのためステッチは隠れています。ハーフラバーを貼ったのでちょっと分かりにくいですね。。。

薄いソールは返りも良く、血の滲む(実際に出ます)慣らし運転が必要なオールデンなどに比べて、エンツォ・ボナフェのローファーは履き初めから快適とのこと。マンションの通路を軽く歩いてみましたが、確かにスリッパのような感覚?

 

革靴の卸したてはビタビタに履くのに慣れている私にはハーフサイズ下げたいくらいのフィッティングですが、こういうものらしいです。緩いような感じもするのに踵が浮くこともないし。

 

初めて展示会でミラノに行ったとき、イタリアの伊達男たちが、軽快にローファーを履く様は、まるでバンズのスリッポンでも履いているかのような印象でした。マッケイもイタリアが起源の製法ですし、イタリア人がローファーを履く感覚は、日本人がスリッポンのスニーカーをを履く位の感じなのかも知れませんね。

 

素材はLAMA LEATHER。


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鞣しの段階で薬品によって収縮させたカーフレーザーで、その独特のシボ感が特徴です。このシボの凹凸が柔軟性を生み出すのでツボラーレ製法と相まってこの履き心地を生み出しているそう。

 

色はCOLAとあります。

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まぁ確かに(笑)

ジャコメッティもですが、イタリア人はウィットに富んでますね。

 

初登板は2月立春を過ぎてからにするつもり。

合わせの鉄板はフェードした501だけど、ミリタリーパンツにも相性良さそうで、楽しみ♪

 

 

苦手克服第三段に続きます。。。